KY・安全ミーティング用

労働災害「事故の型」21分類

厚生労働省の分類を、現場で「どんな事故が起きるか」を想像しやすい言葉に置き換えました。 事故の型を先に選ぶと、KYの危険ポイントが具体的になります。

21公式分類
5KY用グループ
3考える手順
!
「事故の型」と「起因物」は別です。

事故の型は起きた現象(例:墜落・感電)、起因物は災害をもたらした設備・物・環境 (例:脚立・高所作業車・配電線)です。KYでは両方を組み合わせます。

1

事故の型を選ぶ

「人が落ちる」「物が当たる」「電気に触れる」など、起きる現象を決めます。

2

起因物を特定する

脚立、工具、つり荷、車両、充電部、足場など、何が事故を生むかを確認します。

3

具体策まで言う

「注意する」で終わらず、停止・隔離・固定・養生・合図・確認者まで決めます。

迷いやすい分類の見分け方

「誰・何が動いて当たったか」を主語にすると整理しやすくなります。

人が動く / 物が動く 激突 ↔ 激突され

人からぶつかるのが「激突」。動く物の方から人へ当たるのが「激突され」。

単体 / まとまり 飛来・落下 ↔ 崩壊・倒壊

工具や破片などが飛ぶ・落ちるのが前者。足場や積荷など全体が崩れるのが後者。

同一面 / 高低差 転倒 ↔ 墜落・転落

ほぼ同じ高さで滑る・つまずくのが転倒。脚立・荷台・斜面などから落ちるのが墜落・転落。

化学反応 / 物理圧力 爆発 ↔ 破裂

急激な燃焼・反応などによる膨張が爆発。容器などが物理的な圧力で壊れるのが破裂。

21 / 21件
人・足元 物・機械 熱・電気・化学 交通・身体 補助区分
01

墜落・転落

↘

人や車両系機械が、高い場所・斜面などから落ちる。

現場例脚立・足場・高所作業車・トラック荷台・開口部・法面から落ちる。

KYで問う

「落ちる場所はないか? 手すり・作業床・フック位置・昇降方法は決まっているか?」

感電が原因で落ちた場合は、原則「感電」に分類。

02

転倒

⌁

ほぼ同じ高さの床・地面で、滑る、つまずく、倒れる。

現場例仮設ケーブルにつまずく。雨・泥・雪で滑る。段差や資材で足を取られる。

KYで問う

「通路に段差・ぬかるみ・配線・資材はないか? 足元の明るさは十分か?」

脚立や階段など高低差から落ちれば「墜落・転落」。

03

激突

→│

人の方から、静止物や動いている物へぶつかる。

現場例立ち上がって盤の角に頭を打つ。後退して構造物にぶつかる。つり荷へ近づいて接触する。

KYで問う

「移動方向・頭上・背後に障害物はないか? 視界を遮る物を持っていないか?」

物の方から人に当たる場合は「激突され」。

04

飛来・落下

↓

飛んできた物、落ちてきた物が人に当たる。

現場例上部から工具・ボルトが落ちる。切断片・研削粉・石が飛ぶ。手に持った物を足へ落とす。

KYで問う

「上下作業はないか? 工具の落下防止、立入禁止、保護眼鏡は必要ないか?」

容器の破裂によるものは「破裂」。構造物全体が崩れる場合は「崩壊・倒壊」。

05

崩壊・倒壊

▥↘

積んだ物、足場、建築物、地山などが崩れたり倒れたりして当たる。

現場例立て掛けた電柱・標識柱が倒れる。掘削面が崩れる。積載資材や足場が崩れる。

KYで問う

「自立しているように見えて不安定な物はないか? 固定・控え・掘削勾配は十分か?」

単独の工具や部材が落ちるだけなら「飛来・落下」。

06

激突され

│←

動いている物の方から、人へぶつかってくる。

現場例旋回するバックホウや高所作業車のバケット、移動するつり荷、開いた扉などが人に当たる。

KYで問う

「物の動く範囲に人が入らないか? 合図者・誘導者・旋回禁止範囲は決まっているか?」

物が飛ぶ・落ちる場合、崩れる場合はそれぞれ別分類。

07

はさまれ・巻き込まれ

▐◆▌

物の間にはさまれる、回転部などに巻き込まれて、つぶされる・ねじられる。

現場例車両と構造物の間、アウトリガー、ドラム・ギヤ・ワイヤー、盤扉や資材の間に手足をはさむ。

KYで問う

「手足を入れる場所に動く物はないか? 停止・施錠・残圧除去・合図確認をしたか?」

車両等にひかれる場合も、道路交通事故を除きこの分類を含む。

08

切れ・こすれ

/

刃物・工具・材料などで切る、こする、擦りむく。

現場例カッター、電工ナイフ、バンドソー、鋼材の端部、ケーブル外装、グラインダーで負傷する。

KYで問う

「刃の進行方向に手を置いていないか? 固定方法・保護具・工具の状態は適切か?」

09

踏み抜き

▽

釘や金属片を足で踏み抜く。床・スレート等を踏み抜く。

現場例廃材の釘を踏む。古いスレート屋根・仮設床の弱い箇所を踏み抜く。

KYで問う

「歩く面の強度は確認したか? 釘・端材の処理、歩み板、踏抜き防止靴は必要か?」

踏み抜いた結果、下へ落ちた場合は「墜落・転落」。

10

おぼれ

≈

水中に入り、呼吸ができなくなる。水中へ墜落した場合も含む。

現場例河川・用水・池・水槽・浸水したピットへ落ちる。増水時に流される。

KYで問う

「水際への転落防止はあるか? 増水・流速・救命胴衣・救助手段を確認したか?」

11

高温・低温の物との接触

♨

熱い物・冷たい物に触れる、または高温・低温環境にさらされる。

現場例アーク、火炎、熱湯、蒸気、加熱部でやけど。炎天下で熱中症。低温環境で凍傷。

KYで問う

「触れる・浴びる・暑さにさらされる可能性は? 遮熱、冷却、休憩、水分、WBGT管理は?」

感電による障害は「感電」。火災そのものは「火災」。

12

有害物等との接触

◇!

有害な物質・放射線・有害光線・酸欠などに接触、吸入、ばく露する。

現場例ピット・マンホール内の酸素欠乏やCO、有機溶剤・ガス・粉じん、有害光線にさらされる。

KYで問う

「見えない危険はないか? SDS、濃度測定、換気、呼吸用保護具、立入管理は適切か?」

13

感電

ϟ

充電部に触れる、または放電を受けて電気の衝撃を受ける。

現場例活線・露出充電部への接触、誤送電、漏電した金属部、架空線への接近・接触。

KYで問う

「停電範囲は確実か? 開路・施錠・表示・検電・接地・離隔距離まで確認したか?」

感電して転倒・墜落した場合も、原則として「感電」を主要な型とする。

14

爆発

✦

急激な圧力の発生・開放により、爆音を伴う膨張が起きる。

現場例可燃性ガス・蒸気・粉じん・バッテリー水素などへ火花が着火し爆発する。

KYで問う

「可燃物が滞留しないか? 換気・ガス測定・火気管理・防爆機器は必要か?」

容器内で爆発した結果、容器が壊れた場合も「爆発」。

15

破裂

◯×

容器・装置が、内部圧力など物理的な圧力で破れる。

現場例ボンベ・圧力容器・加圧ホース・配管・タイヤなどが圧力に耐えられず破裂する。

KYで問う

「圧力は抜けているか? 傷・腐食・劣化・規格外接続・過充填はないか?」

研削といし等の機械的な破片飛散は「飛来・落下」。

16

火災

△

物が燃え、火災として拡大する。

現場例短絡・過熱、溶接火花、バーナー、可燃物・燃料への引火から火災になる。

KYで問う

「火源と可燃物を離したか? 火気監視、消火器、作業後の残火確認は誰が行うか?」

17

交通事故(道路)

⇄

道路交通法が適用される道路上での交通事故。

現場例工事車両での移動中・資材運搬中の衝突、追突、歩行者・自転車との事故。

KYで問う

「経路・交差点・後退・駐車・疲労の危険は? 時間に余裕があり、運転者の体調は良いか?」

18

交通事故(その他)

≋

船舶・航空機・公共輸送用の列車や電車などによる交通事故。

現場例業務移動中の船舶・航空機・鉄道事故など。一般的な工事現場では該当頻度は低い。

KYで問う

「移動手段固有の非常時対応、運休・悪天候時の判断、乗降時の危険は確認したか?」

事業場構内の車両事故は、実際の現象に応じて「激突され」「はさまれ」等へ分類。

19

動作の反動・無理な動作

⌇

身体の動き・反動・不自然な姿勢により、腰や筋・関節を痛める。

現場例重量物を持ち上げてぎっくり腰。無理な姿勢でケーブルを引き、肩・腰・手首を痛める。

KYで問う

「重さ・姿勢・回数・作業高さは適切か? 2人作業、台車、揚重機、分割搬入にできないか?」

バランスを失って落ちた・転んだ場合は「墜落・転落」「転倒」を優先。

20

その他

+

上の19分類のどれにも当てはまらない事故・傷病。

公式例傷口の化膿、破傷風など。

KYで問う

「既存の型へ当てはめられないかを再確認し、感染・衛生面の危険も見落としていないか?」

21

分類不能

?

判断に必要な情報が足りず、事故の型を決められない。

現場例発見時の状況しか分からず、転倒・墜落・激突などのどれか判断できない。

KYで問う

「作業前の記録、配置、合図、写真、目撃情報を残し、事故時に状況を追えるか?」

該当する事故の型がありません。検索語を変えてください。

KYミーティングでの使い方(読み上げ例)

「事故の型 → 起因物 → 具体策」の順で話すと、抽象的な注意喚起になりにくくなります。

① 事故の型:「今日の作業では、高所作業車からの墜落・転落が考えられます。」

② 起因物:「原因になるのは、作業床、乗降口、フックを掛け替える場面です。」

③ 具体策:「乗降前に作業床を最下部へ下げ、フックを先に掛け、合図者が確認します。」

指差呼称:「フック・手すり・乗降手順、ヨシ!」